機材をそろえ、録音や編集のやり方が分かっても、いざ始めると「毎回なにを話せばいいのか」で手が止まることがあります。続く番組と、数回で止まってしまう番組の差は、最初の企画で決まることが多いです。
この記事では、ポッドキャストの企画の立て方と、台本の作り方を整理します。企業・団体の番組で使うときに、先に決めておきたいことも紹介します。
この記事を書いた人
私たちTAIDAN(運営:LutenWorks)は、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの収録・編集・配信を代行しています。イベントの映像・音響の現場で9年目、映像制作で5年以上の経験があります。
企画で決めること
企画とは、番組の「骨組み」を決めることです。最初に次の5つを決めておくと、毎回の準備がぐっと楽になります。
| 決めること | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 番組を通して、何を変えたいか(例:採用で会社の雰囲気を伝えたい、お客様に専門知識を届けたい) |
| 聞き手 | 誰に向けた番組か。1人の具体的な人を思い浮かべられるくらいに絞る |
| テーマ | 毎回話す内容の範囲。広すぎず、何十回分も話題が出せる広さにする |
| 形 | 1人で話す、2人で話す、ゲストを呼ぶ、など |
| 長さとリズム | 1回の長さと、公開する頻度(週1回、月2回など) |
この5つは、番組名や説明文、カバーアートを決めるときの土台にもなります。番組を始めるまでの全体の流れは「ポッドキャストの始め方【企業・個人向け】企画から配信まで7つのステップ」で紹介しています。
テーマと聞き手の決め方
聞き手から考える
テーマは「話したいこと」からではなく、「聞き手が知りたいこと」から考えると、続けやすくなります。話し手が話したいことは、数回で出し尽くしてしまうことがあるからです。
たとえば「採用のための番組」なら、聞き手は応募を考えている人です。その人が知りたいのは、仕事の中身、働いている人の考え方、1日の流れなどです。ここから、毎回の話題が自然に出てきます。
話題を先に書き出してみる
テーマを決めたら、そのテーマで話せる話題を、まず10〜20個ほど書き出してみます。すぐに書き出せない場合は、テーマが狭すぎるか、聞き手がまだはっきりしていないことが多いです。
企業の番組の使い方の例は「企業がポッドキャストを始めるメリットと活用例|採用・ブランド・社員教育での使い方」でまとめています。
話し方の形を選ぶ
番組の形によって、台本の作り方も変わります。
| 形 | 向いていること | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 1人で話す | 専門知識を順序立てて伝える | 話が一本調子になりやすい。台本を細かめに用意する |
| 2人で話す(対談) | 話が広がりやすく、聞き手が入りやすい | 2人の役割(聞く人・答える人)を決めておく |
| ゲストを呼ぶ(インタビュー) | 毎回ちがう人の話で、話題が尽きにくい | ゲストとの日程の調整と、事前の打ち合わせが毎回いる |
企業の番組では、社内の2人で話す形や、社員やお客様をゲストに呼ぶ形がよく選ばれます。2人以上で録るときの音の注意点は「ポッドキャストの録音方法|会議室で対談をきれいに録る7つのコツ【2人収録】」で紹介しています。
1回の構成
1回の流れは、毎回同じ形にそろえておくと、聞く人が安心して聞けます。作る側も、毎回の準備がしやすくなります。基本の形は次のとおりです。
- オープニング:番組名、話す人の紹介、今回のテーマ
- 本題:今回のテーマについての話。2〜3つの話題に分けると、聞く人がついてきやすい
- お知らせ:イベントや募集、お便りの案内など(ある場合だけ)
- エンディング:今回のまとめ、次回の予告、番組の感想の送り先など
Apple Podcastsでは、エピソードの種類として「通常の回」のほかに「予告編(トレーラー)」や「ボーナス」を設定できます。番組を始める前に、番組の紹介だけを短くまとめた予告編を出しておくのも1つの方法です。
台本はどこまで書くか
台本の書き方には、大きく分けて3つあります。
| 書き方 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 全部書く | 話す言葉をすべて文章にして、読み上げる | 正確さが必要な説明、短い告知 |
| 流れだけ書く | 話題の順番と、話す要点を箇条書きにする | 対談、1人で話す回の多く |
| きっかけだけ書く | 最初の問いかけや話題だけを書き、あとは自由に話す | 慣れてきた2人の対談 |
全部を文章にして読み上げると、内容は正確になりますが、読んでいる感じが出やすくなります。慣れないうちは、話し言葉のやわらかさが消えてしまいがちです。
おすすめは、オープニングとエンディングはしっかり書き、本題は箇条書きにする 形です。始まりと終わりが決まっていると、途中で話が広がっても、番組としてまとまります。
プロの目線から
私たちが番組を作るときも、オープニングとエンディングはある程度書いておきます。中身は箇条書きや、冒頭の会話のきっかけだけを書いて、あとはフリートークにすることが多いです。話す人が自分の言葉で話すほうが、聞いていて自然だからです。そのぶん、始まりと終わりを決めておくことで、毎回の番組の形がそろいます。
1回の長さの考え方
1回の長さに、決まった正解はありません。大事なのは、聞く人がどんな場面で聞くか から考えることです。
- 通勤や家事、作業をしながら聞く番組なら、1回で区切りよく聞き終えられる長さにする
- 専門的な話をじっくり聞いてもらう番組なら、長めでもよい
- 長さよりも、毎回だいたい同じ長さにそろえる ほうが、聞く人が習慣にしやすい
長さは編集の手間にも関わります。1回が長くなるほど、聞き直して切る作業も増えます。編集にかかる時間は「ポッドキャストの編集方法|無料ソフトでできることと、プロが時間をかけているところ」で紹介しています。
プロの目線から
私たちは、1回が20〜30分くらいの番組が、作業しながら聞くのにちょうどいいと考えています。最後まで聞き終えやすく、1つのテーマを深めるのにも足りる長さです。もちろん番組の目的によって変わるので、最初の数回を出してみて、聞く人の反応を見ながら決めていくのがよいと思います。
続けるための準備
企画が決まったら、始める前に次のことを用意しておくと、途中で止まりにくくなります。
- 最初の3〜5回分の話題:始めてすぐに話題に困らないように、先に決めておく
- 話題のストック:思いついた話題を書きためておく場所(共有のメモなど)
- 公開のリズム:週1回、月2回など、無理なく続けられる頻度にする
- 1回の作業の流れ:企画、収録、編集、公開を、誰がいつやるか
企業の番組で、先に決めておくこと
会社や団体の番組では、企画の段階で次のことを決めておくと、あとで困りません。
- 話してよいこと・いけないこと:社外に出す内容なので、出してよい情報の範囲を先に決めておく
- 確認する人:台本や、編集が終わった音声を、公開前に誰が確認するか
- 出演する人:毎回出る人と、ゲストとして出る人。異動や退職があっても続けられる形にしておく
- 担当の時間:企画・収録・編集・公開に、担当者がどれくらい時間を使えるか
担当者が社内で番組を作る場合の作業時間の目安は「ポッドキャスト制作を外注する費用の相場は?自社で作る場合との比較と、選び方のポイント」でまとめています。
まとめ
- 企画では、目的・聞き手・テーマ・形・長さとリズム の5つを決める
- テーマは「話したいこと」より「聞き手が知りたいこと」から考える。話題を10〜20個書き出してみる
- 1回の構成は、オープニング・本題・お知らせ・エンディング で毎回そろえる
- 台本は、オープニングとエンディングを書き、本題は箇条書き にすると、自然さと番組のまとまりを両立しやすい
- 1回の長さは、聞く人がどんな場面で聞くかから考え、毎回そろえる
企画は、番組を始める前にいちばん時間をかける価値のあるところです。ここが決まっていると、収録も編集も迷わずに進められます。
番組の企画から任せたいときは、TAIDANへ
TAIDANは、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの制作を代行しています。
- 番組の企画・構成づくりから、収録・編集・配信まで、まとめて対応
- 機材を持って、会議室やオフィスへ出張収録(スタジオは不要、全国へ伺います。出張費・会場費は別途)
- 料金は、音声 単発 80,000円〜、ビデオ 単発 120,000円〜(税別・機材費込み)。継続のプランは月4本です
ご相談のあと、番組企画のたたき台を無料でお送りします。