「社内の会議室で、社員どうしの対談を録ってみた。でも、聞き返すとなんだか素人っぽい」。企業のポッドキャストで、いちばんよく聞く悩みです。
音が素人っぽくなる原因は、マイクの値段より、部屋と録り方 にあることがほとんどです。この記事では、会議室で2人の対談を録る場面に絞って、すぐに試せる7つのコツを紹介します。
この記事を書いた人
私たちTAIDAN(運営:LutenWorks)は、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの収録・編集・配信を代行しています。イベントの映像・音響の現場で9年目、映像制作で5年以上の経験があります。
先に結論:7つのコツ
- 響かない部屋(または場所)を選ぶ
- 空調と換気扇の音を止める
- マイクは口から近く、距離をそろえる
- マイクは1人1本
- 録音も1人1トラック(別々のファイル)
- 入力の大きさは「大きすぎない」ところで合わせる
- 本番の前に、30秒だけ試し録りをして聞き返す
順番に説明します。
1. 響かない部屋を選ぶ
会議室は、壁・窓・机がかたく、声が反射して「お風呂場」のように響きやすい場所です。響いた音は、あとから編集で取りきれません。
- 物が多い部屋 を選ぶ(本棚、カーテン、ソファ、布のパーテーションがある部屋)
- 窓やガラスの壁から離れて座る
- 机の上に布(テーブルクロスやタオル)を1枚敷く
プロの目線から
以前、会議室で収録した動画の編集で、カットをつないだところだけ部屋の響きが変わって聞こえ、自然につながらなかったことがあります。それ以来、収録の前に部屋の響きを必ず確かめ、吸音材を置いたり、響きを拾いにくいマイクを選んだりしています。響きは録る前にしか直せない、と考えておくのが安全です。
2. 空調と換気扇の音を止める
収録中は気づかなくても、聞き返すと「ゴーッ」という低い音がずっと鳴っていることがあります。エアコン、換気扇、パソコンのファン、冷蔵庫などです。
- 収録の 10分前に部屋を快適な温度にしておき、本番中は空調を止める
- 換気扇、ほかの機器の電源も、止められるものは止める
- 長い収録なら、休憩のたびに空調を入れ直す
3. マイクは口から近く、距離をそろえる
マイクが口から遠いと、そのぶん部屋の響きや雑音を多く拾います。
- 口からマイクまでは こぶし1つ分くらい が目安
- 話しているうちに離れていかないよう、マイクスタンドで固定する
- 2人とも 同じくらいの距離 にそろえる(声の大きさの差が小さくなる)
4. マイクは1人1本
テーブルの真ん中に1本だけ置いて2人の声を録ると、どうしても遠いほうの声が小さく、部屋の響きが多く入ります。
話す人の数だけマイクを用意する のが基本です。会議室のように響く場所では、近くの声だけを拾いやすい「ダイナミックマイク」が扱いやすく、私たちも放送や配信でよく使われるダイナミックマイク(SHURE SM7B・SM57)を使っています。マイクの種類や選び方は「ポッドキャスト用マイクの選び方」で詳しく紹介しています。
5. 録音も1人1トラック(別々のファイル)
マイクを2本使っても、録音機(レコーダーやパソコン)の上で2本の音が 1つのファイルにまざって 録れてしまうことがあります。
まざって録れると、編集で次のことができなくなります。
- 片方だけ声が小さいのを直す
- 片方の咳や相づちだけを消す
- 2人の声が重なった部分を整える
マイクごとに別々のファイル(トラック)で録れる機材 を選び、設定を確かめてから録りましょう。私たちは、マイクごとに別トラックで録れるレコーダー(ZOOM PodTrak P8)を使っています。
プロの目線から
2本のマイクの音が1つにまざって録れてしまい、声を別々に直せなかった失敗は、実際に経験しています。それからは、録る前に「トラックが分かれているか」を必ず確認するようにしています。収録が終わってからでは取り戻せないので、ここだけは最初に確かめてください。
6. 入力の大きさは「大きすぎない」ところで合わせる
録音機には、入ってくる音の大きさ(入力レベル)を調整するつまみがあります。
- 大きすぎると、音が割れて二度と直せません
- 小さすぎると、あとで大きくしたときに雑音も一緒に大きくなります
- 本番と同じ声の大きさで話してもらい、メーターがいちばん上(赤)に届かない ところに合わせます
- 笑ったときに声が大きくなる人もいるので、少し余裕を残しておくと安心です
7. 本番の前に、30秒だけ試し録りをする
最後に、いちばん効くのがこれです。
- 2人に本番と同じように30秒話してもらう
- ヘッドホンで 聞き返す(スピーカーだと雑音や響きに気づきにくい)
- 響き、雑音、声の大きさ、トラックが分かれているかを確かめる
ここで気づいたことを直してから本番に入れば、失敗の多くは防げます。
収録前チェック表
| 確かめること | OK? |
|---|---|
| 物が多く、響きにくい部屋を選んだ | □ |
| 空調・換気扇・機器の音を止めた | □ |
| マイクは1人1本、口からこぶし1つ分 | □ |
| 録音は1人1トラックになっている | □ |
| 入力の大きさは赤に届かない | □ |
| ヘッドホンで30秒の試し録りを聞き返した | □ |
全体の流れは「ポッドキャストの始め方【企業・個人向け】企画から配信まで7つのステップ」、映像もつける場合は「ビデオポッドキャストとは?」もあわせてご覧ください。
まとめ
- 素人っぽい音の原因は、マイクより 部屋と録り方 にあることが多い
- 響き・空調の音・マイクの距離は、録る前にしか直せない
- 2人で録るなら、マイクは1人1本、録音も1人1トラック
- 本番の前に、ヘッドホンで30秒の試し録りを聞き返す
会議室でも、ここまでやれば音はぐっと聞きやすくなります。それでも準備や機材の手間が大きいと感じたら、収録だけプロに任せるのもひとつの方法です。
ポッドキャストの収録・制作のご相談は、TAIDANへ
TAIDANは、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの制作を代行しています。
- 映像・音響機材のプロが、機材を持って会議室やオフィスへ出張収録(スタジオ不要、全国へ伺います)
- 放送用のマイクで1人1トラック収録。部屋の響きや雑音も、その場で対策します
- 企画から、収録・編集・配信・投稿管理まで まとめて対応(音声 単発 80,000円〜、ビデオ 単発 120,000円〜、税別)
ご相談のあと、番組企画のたたき台を無料でお送りします。