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JOURNAL / 始め方

ポッドキャスト用マイクの選び方|音響のプロが見る4つの基準と、2人以上で録るときの注意

「ポッドキャストを始めるなら、まずマイクを買わないと。でも、種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない」。最初に、多くの方がここで止まります。

マイク選びで大事なのは、値段や人気より、録る部屋と人数に合っているか です。この記事では、音響の現場で私たちが実際に見ている4つの基準と、2人以上で録るときの注意を紹介します。

この記事を書いた人

私たちTAIDAN(運営:LutenWorks)は、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの収録・編集・配信を代行しています。イベントの映像・音響の現場で9年目、映像制作で5年以上の経験があります。

目次

先に結論:マイクを選ぶ4つの基準

  1. ダイナミックか、コンデンサーか:会議室やオフィスで録るなら、ダイナミック
  2. 指向性:正面の声だけを拾う「単一指向性」を選ぶ
  3. USBか、XLRか:1人ならUSBでも始められる。2人以上ならXLRで、人数ぶんの入力がある機材へ
  4. 必要なゲイン:出力が小さいマイクは、つなぐ機材の力が足りるかを確かめる

順番に説明します。

1. ダイナミックマイクか、コンデンサーマイクか

マイクは、大きく「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」に分かれます。

ダイナミックマイク コンデンサーマイク
音の拾い方 近くの声を中心に拾う 小さな音や細かい響きまで拾う
向いている場所 会議室・オフィス・自宅など、ふつうの部屋 静かで響かない部屋(防音室など)
電源 いらない ファンタム電源(マイクに送る電気)が必要なものが多い
気をつけること 口に近づけて使う 空調の音、紙をめくる音、部屋の響きも一緒に入りやすい

コンデンサーマイクは、くっきりとした細かい音で録れるのが長所です。そのぶん、空調の音や部屋の響きまで拾いやすくなります。

会社の会議室やオフィスで録るなら、ダイナミックマイク のほうが扱いやすいです。部屋の響きや雑音を拾いにくく、少し環境が悪くても声が聞き取りやすく残ります。

プロの目線から

出張収録では、伺う会議室が毎回ちがいます。広さも、壁の材質も、空調の音も、当日まで分かりません。だから私たちは、部屋の響きを拾いにくいダイナミックマイク(SHURE SM7B・SM57)を基本にしています。部屋の響きは録ったあとでは取りきれないので、マイクの側で「拾わない」ようにしておく考え方です。

2. 指向性は「単一指向性」を選ぶ

指向性とは、マイクがどの方向の音を拾うかのことです。

  • 単一指向性(カーディオイド):正面の音を中心に拾い、横や後ろの音は拾いにくい
  • 全指向性:まわりの音をぜんぶ同じように拾う

テーブルの真ん中に全指向性のマイクを1本置けば、全員の声を録ることはできます。ただし、遠い人の声は小さくなり、部屋の響きも多く入ります。

ポッドキャストでは、単一指向性のマイクを1人1本、口の正面に向けて使う のが基本です。正面から外れると声が小さくなるので、話しているうちに向きがずれないよう、スタンドで固定します。

会議室での置き方や距離は「ポッドキャストの録音方法|会議室で対談をきれいに録る7つのコツ」で詳しく紹介しています。

3. USBマイクか、XLRマイクか

マイクのつなぎ方にも、2つの種類があります。

USBマイク XLRマイク
つなぎ方 パソコンやスマートフォンに直接つなぐ オーディオインターフェースやレコーダー(音を取り込む機材)を通す
手軽さ ケーブル1本ですぐ使える 機材が1つ増える
向いている人数 1人 2人以上
1人1トラック 2本以上を同時に別々に録るのは、設定が難しいことが多い 入力が人数ぶんある機材なら、マイクごとに別々のファイルで録れる

1人で話す番組なら、USBマイクで十分に始められます。

2人以上で話す番組なら、XLRマイクを人数ぶん用意し、入力が人数ぶんあるレコーダーやオーディオインターフェースにつなぐ のが安全です。マイクごとに別々のファイル(トラック)で録れるので、あとで片方の声だけを直せます。

最近は、USBとXLRの両方の端子がついたマイクもあります。最初は1人でUSBで始めて、人数が増えたらXLRでつなぐ、という使い方もできます。

4. 出力が小さいマイクは「ゲイン」が足りるかを確かめる

ゲインとは、マイクから来た小さな音を、録れる大きさまで持ち上げる力のことです。

ダイナミックマイクの中には、出力がとても小さいものがあります。たとえば私たちが使っているSHURE SM7Bは、メーカーの資料で、口から7〜8cmほどで話す声を録るには +60dB以上のゲインが必要 とされています。同じ資料には、ゲインが40〜50dBほどの機材も多いと書かれていて、つなぐ機材によっては力が足りません。

力が足りないと、つまみをいちばん上まで回しても声が小さく、あとで大きくしたときに「サー」という雑音も一緒に大きくなります。

マイクを選ぶときは、つなぐ機材のゲインが足りるか も一緒に確かめてください。足りない場合は、マイクと機材のあいだに入れて音を持ち上げる小さな機材(インラインのマイクブースター)を使う方法もあります。

プロの目線から

私たちは、SM7Bをマイク入力のゲインが最大70dBあるレコーダー(ZOOM PodTrak P8)につないでいます。ゲインに余裕があるので、別の機材を足さずに、声を十分な大きさで録れます。マイクとつなぐ機材は、セットで考えるのが失敗しないコツです。

状況別:どんなマイクを選べばいいか

状況 選び方のめやす
1人で話す。まずは自宅で試したい USBでつなげる、単一指向性のダイナミックマイク
2人以上の対談を、会議室やオフィスで録る XLRのダイナミックマイクを人数ぶん+入力が人数ぶんあるレコーダー
静かな防音室で、1人でナレーションを録る コンデンサーマイクも候補になる
顔も映すビデオポッドキャスト 画面に映っても気にならない形と、置き場所(アームやスタンド)も一緒に考える

ビデオポッドキャストでは、マイクが顔を隠さない置き方も大切です。映像の準備については「ビデオポッドキャストとは?音声との違い・始め方・必要な機材」をご覧ください。

マイクと一緒に用意したいもの

マイク本体だけでは、きれいに録れません。最低限、次のものも用意しましょう。

  • マイクスタンド(またはアーム):口からの距離と向きを固定する
  • ウィンドスクリーン(ポップガード):「パ行」などで息がマイクに当たる音を防ぐ
  • XLRケーブル(XLRマイクの場合):人数ぶん
  • ヘッドホン:録っている音を、その場で耳で確かめる

ここまでそろえると、マイクだけのつもりが、思ったより機材が増えると感じるかもしれません。マイク以外の機材は「ポッドキャストに必要な機材一覧|音声だけ・ビデオありで、段階ごとにそろえるもの」で一覧にしています。全体の流れは「ポッドキャストの始め方【企業・個人向け】企画から配信まで7つのステップ」でまとめています。

まとめ

  • マイクは、値段より 録る部屋と人数に合っているか で選ぶ
  • 会議室やオフィスで録るなら、単一指向性のダイナミックマイク
  • 2人以上なら、XLRで1人1本、入力が人数ぶんある機材で1人1トラック
  • 出力が小さいマイクは、つなぐ機材のゲインが足りるか も確かめる

マイク選びは、つなぐ機材や部屋とセットで考えると失敗が減ります。機材をそろえる前に、一度プロに相談してみるのもひとつの方法です。

ポッドキャストの収録・制作のご相談は、TAIDANへ

TAIDANは、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの制作を代行しています。

  • 放送や配信で使われるダイナミックマイクとレコーダーを持って、会議室やオフィスへ出張収録(機材の購入は不要、全国へ伺います)
  • 1人1本・1人1トラックで収録。部屋の響きや雑音も、その場で対策します
  • 企画から、収録・編集・配信・投稿管理まで まとめて対応(音声 単発 80,000円〜、ビデオ 単発 120,000円〜、税別)

ご相談のあと、番組企画のたたき台を無料でお送りします。

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