「会社でポッドキャストを始めてみたい」「まずは自分たちで1本作ってみたい」。そう考えて調べ始めると、スマホだけで手軽に始める方法から、本格的な機材の話まで、情報が多くて迷いますよね。
この記事では、ポッドキャストを 企画してから配信し、続けていくまで の流れを、7つのステップで整理します。個人で始める方にも役立つ内容ですが、とくに 企業や団体の担当者として始める方 がつまずきやすいポイントも、あわせて紹介します。
この記事を書いた人
私たちTAIDAN(運営:LutenWorks)は、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの収録・編集・配信を代行しています。イベントの映像・音響の現場で9年目、映像制作で5年以上の経験があります。
ポッドキャストとは?まず押さえたい基本
ポッドキャストは、インターネットで配信される 音声(や映像)の番組 です。Spotify、Apple Podcasts、YouTube などのアプリで、聞きたい人が好きなときに再生できます。
ラジオとの大きな違いは、決まった放送時間がないこと と、誰でも番組を持てること です。通勤中や家事のあいだに「ながら聞き」されやすく、文章や短い動画よりも、まとまった時間、話を聞いてもらいやすいのが特長です。
最近は、話している様子を撮影して、音声と映像の両方で届ける ビデオポッドキャスト も増えています(くわしくは「ビデオポッドキャストとは?」)。
始める前に決めておきたい3つのこと
いきなりマイクを買う前に、次の3つを決めておくと、あとで迷いません。
1. 何のために配信するのか(目的)
- ブランドや商品の背景を伝えたい
- 採用のために、会社の雰囲気を知ってもらいたい
- 社員教育や、専門知識の発信に使いたい
- 個人として、好きなテーマで発信したい
目的によって、話す内容・出演者・配信先・どれくらい続けるかが変わります。
2. 誰に聞いてほしいのか(聞き手)
「お客様」「求職者」「社員」「業界の人」など、聞き手をひとりに絞るほど、テーマや話し方が決めやすくなります。
3. どのくらいのペースで続けるのか(続け方)
ポッドキャストは 続けることで聞き手が増えていくメディア です。最初から「月に何本出すか」「誰が担当するか」を決めておきましょう。
ポッドキャストの始め方:全体の流れ
| ステップ | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1. 企画 | テーマ・形式・1回の長さ・配信の頻度を決める | 番組を立ち上げるときに1回 |
| 2. 機材と収録環境 | マイク・録音機材・収録場所を用意する | 番組を立ち上げるときに1回 |
| 3. 収録 | 話す内容を準備して、録音(撮影)する | 毎回 |
| 4. 編集 | 不要な部分を切り、聞きやすい音に整える | 毎回 |
| 5. 公開の準備 | 番組名・説明文・カバーアートを用意する | 最初に1回+毎回の説明文 |
| 6. 配信 | 配信サービスに登録し、各アプリに番組を届ける | 最初に登録+毎回アップロード |
| 7. 続ける・届ける | 告知して、数字を見ながら改善する | 毎回 |
ここから、ひとつずつ見ていきます。
ステップ1:企画(テーマ・形式・長さ・頻度)
テーマを決める
「自分たちが話せること」と「聞き手が知りたいこと」が重なるところがテーマになります。1回ごとの話題を、最初に10本分ほど書き出してみましょう。10本出てこないテーマは、続けるのが難しいかもしれません。
形式を決める
| 形式 | 特長 | 向いている例 |
|---|---|---|
| ひとり語り | 準備がシンプル。話し手の力量が出やすい | 専門家の解説、代表のメッセージ |
| 対談(2人) | 会話のテンポが生まれ、聞きやすい | 社員同士の対談、上司と新人 |
| インタビュー | ゲストの話を深く引き出せる | お客様・取引先・専門家へのインタビュー |
企業のポッドキャストでは、聞き手役を立てた対談やインタビュー形式 がおすすめです。質問を重ねることで、専門的な話も分かりやすくなります。
1回の長さと頻度を決める
1回の長さは 15〜30分 ほどが、最後まで聞いてもらいやすい長さです。頻度は、週1回や月2回など、無理なく続けられるペース を優先しましょう。
企画の立て方や台本の作り方は「ポッドキャストの企画と台本の作り方|続く番組のテーマ・構成・1回の長さの決め方」でくわしく紹介しています。
ステップ2:機材と収録環境をそろえる
最小構成なら、スマホだけでも始められる
スマホの録音アプリだけでも、ポッドキャストは始められます。まず1本作ってみたいなら、それで十分です。
企業の番組なら「音質」は第一印象
ただ、企業や団体の番組として出すなら、音質はそのまま会社の印象 になります。部屋の反響(エコー)や、エアコン・パソコンの音、話す人ごとの音量の差は、聞き手が思った以上に気になるものです。
一般的には、次のような機材をそろえると、音質が大きく変わります。
- マイク:話す人ごとに1本(対談なら2本)
- 録音機材:複数のマイクをまとめて録れるレコーダーや、パソコンにつなぐ機材(オーディオインターフェース)
- ヘッドホン:録りながら音を確かめるため
- 収録場所:反響が少なく、静かな部屋
プロの目線から
私たちTAIDANの収録では、マイクに SHURE SM7B・SM57、録音とミキサーに ZOOM PodTrak P8 を使っています。ただ、機材と同じくらい大事なのが「部屋」です。同じマイクでも、反響の少ない部屋で録るだけで、聞きやすさがまったく変わります。会議室で録るなら、カーテンを閉める、壁から離れて話す、といった工夫だけでも効果があります。
ステップ3:収録する
会議室で2人の対談をきれいに録るコツは「ポッドキャストの録音方法|会議室で対談をきれいに録る7つのコツ」でくわしく紹介しています。
収録の前に準備すること
- 話す流れのメモ:一言一句の台本より、話す順番と聞きたい質問を書いたメモが、自然な会話になります
- テスト録音:本番の前に1分ほど録って、音量や雑音を確かめます
- 出演者への案内:日程・場所・話してほしいこと・公開範囲を、事前に共有しておきます
収録中のコツ
- マイクと口の距離を、話す人ごとにそろえる
- 2人が同時に話さないように、あいづちは小さめに
- 言い間違えたら、少し間をあけて言い直す(編集で切りやすくなります)
- 録音は2つの機材で同時に録る と、トラブルがあっても安心です
ステップ4:編集する
編集では、主に次の作業をします。
- 不要な部分を切る:言い間違い、長い沈黙、話がそれた部分
- 雑音を減らす:空調の音や、リップノイズ(口の音)など
- 音量をそろえる:話す人ごとの音量の差をなくし、番組全体の音の大きさをそろえる
- オープニングやBGMを入れる:番組らしさを出す
無料の編集ソフトでも、基本的な作業はできます。ただし、30分の番組を聞きやすく仕上げるには、1本あたり2〜4時間ほどかかる ことが多く、毎回の担当者の負担になりやすい工程です。
ステップ5:公開の準備(番組名・説明文・カバーアート)
番組名と説明文
番組名は「誰の、どんな番組か」が一目で分かるものにしましょう。説明文には、番組のテーマ・聞き手・配信の頻度を書きます。各回の説明文には、話題やゲストの名前を入れておくと、検索で見つけてもらいやすくなります。
カバーアート(番組の顔になる画像)
アプリで最初に目に入る、番組の顔です。Apple Podcasts の場合、次の条件があります。
- 正方形で、1400×1400〜3000×3000ピクセル(大きいサイズが推奨)
- 透明な部分を含めない
- 画像の下の方は、再生バーなどで隠れることがあるので、大事な要素を置かない
スマホの小さな画面でも、番組名が読めるデザインにするのがポイントです。
ステップ6:配信する(配信サービスへの登録)
ポッドキャストが届く仕組み
ポッドキャストは、音声ファイルを 配信サービス(ホスティングサービス) にアップロードすると、そこから各アプリに番組が届く仕組みになっています。
| 役割 | 主な例 |
|---|---|
| 配信サービス(音声を置く場所) | Spotify for Creators など |
| 聞くアプリ(番組が並ぶ場所) | Spotify、Apple Podcasts、Amazon Music、YouTube など |
無料で使える配信サービスもあり、そこから Apple Podcasts など、ほかのアプリにも番組を登録 できます。
企業で配信するときに決めておきたいこと
- アカウントの持ち主:担当者個人のアカウントではなく、会社として管理できるアカウントで登録しましょう。担当者が変わったときに困らないためです。
- 公開範囲:一般公開か、社員・会員だけに公開するのか。社内向けの場合は、配信の方法そのものが変わります。
ステップ7:続ける・届ける
まずは10本を目標に
ポッドキャストは、本数が増えるほど見つけてもらいやすくなります。最初の目標は 10本 がおすすめです。
告知する
- 自社のサイトやSNS、メールマガジンで紹介する
- 出演者やゲストにも、シェアをお願いする
- 採用目的なら、求人ページや説明会の案内に載せる
数字を見て改善する
配信サービスの管理画面で、再生数や、どこまで聞かれたかを確認できます。最後まで聞かれていない回は、長さや話の順番を見直すヒントになります。
企業がポッドキャストを始めるときに、つまずきやすいポイント
ここまでの流れは、個人でも企業でも同じです。ただ、企業の番組には、個人とは違う大変さがあります。私たちが収録の現場でよく聞く悩みを紹介します。
1. 担当者の作業時間が想像以上にかかる
企画・出演者との調整・収録・編集・公開作業を合わせると、30分の番組1本に、まるまる1日かかる ことも珍しくありません。社内の担当者が30分の対談番組を1本作る場合の目安は、次のとおりです。
| 作業 | 中身 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 企画 | 話題を決める、話の流れのメモを作る | 1〜2時間 |
| 出演者との調整 | 日程を合わせる、話してほしいことを事前に伝える | 30分〜1時間 |
| 収録 | 機材の準備とテスト、収録、片付け | 2〜3時間 |
| 編集 | 不要な部分のカット、雑音を減らす、音量をそろえる | 2〜4時間 |
| 公開 | 説明文を書く、アップロード、告知 | 30分〜1時間 |
| 合計 | 約6〜11時間 |
これが毎回かかります。ほかの業務と兼任していると、配信が止まる大きな原因になります。
2. 音質が、会社の印象に直結する
聞きづらい音声は、内容が良くても最後まで聞いてもらえません。機材の選び方や部屋の音の扱いには、慣れと経験が必要です。
3. 出演者のスケジュールと、社内の確認
社員や経営者、ゲストの日程をそろえ、公開前に社内の確認を取る。企業ならではの手間が、毎回発生します。
4. 続けるための「企画の引き出し」
最初の数本は話題があっても、10本、20本と続けるうちにネタに困りがちです。最初に番組の方向性と、話題のリストを作っておくことが大切です。
自社で作る?任せる?判断のめやす
| こんなときは | おすすめ |
|---|---|
| まずは試しに1〜2本作ってみたい | 自社で、スマホや手持ちの機材から始める |
| 担当者に時間があり、音や編集に詳しい人がいる | 自社で作る |
| 会社の顔として出すので、音質や見た目にこだわりたい | 収録・編集をプロに任せる |
| 担当者が兼任で、続けられるか不安 | 企画から配信まで、まとめて任せる |
| 映像も撮ってビデオポッドキャストにしたい | 撮影と収録を、まとめてプロに任せる |
まとめ
ポッドキャストは、次の7つのステップで始められます。
- 企画(テーマ・形式・長さ・頻度)
- 機材と収録環境
- 収録
- 編集
- 公開の準備(番組名・説明文・カバーアート)
- 配信(配信サービスへの登録)
- 続ける・届ける
まずは1本、作ってみることが大切です。そのうえで、「続けるのが大変そう」「会社の番組として、きちんとした音で届けたい」と感じたら、プロに任せるのもひとつの方法です。
ポッドキャスト制作のご相談は、TAIDANへ
TAIDANは、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの制作を代行しています。
- 映像・音響機材のプロが出張収録(関西を拠点に、全国へ)
- 企画から、収録・編集・配信・投稿管理まで まとめて対応
- 単発の制作から、月4本の継続運用まで 選べます
「何から始めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。ご相談・お見積もりは無料です。