収録と編集が終わったら、いよいよ配信です。配信の入口としてよく使われているのが、Spotifyの Spotify for Creators(スポティファイ・フォー・クリエイターズ) です。
この記事では、Spotify for Creatorsでポッドキャストを配信するまでの手順と、企業・団体の番組で使うときに気をつけたいことを、Spotifyの公式の案内をもとに整理します。
この記事を書いた人
私たちTAIDAN(運営:LutenWorks)は、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの収録・編集・配信を代行しています。イベントの映像・音響の現場で9年目、映像制作で5年以上の経験があります。
Spotify for Creatorsとは
Spotify for Creatorsは、Spotifyが提供している、ポッドキャストを置いて配信するためのサービスです。以前は「Spotify for Podcasters」という名前でした。
ポッドキャストを配信するには、ホスティングサービス(音声や映像のファイルを置いておく場所)が必要です。Spotify for Creatorsはその1つで、Spotifyは ポッドキャストのホストと配信、RSS配信を無料 と案内しています。RSS(番組の情報とエピソードの一覧を、配信アプリに知らせるしくみ)を使えば、Spotify以外のアプリにも番組を届けられます。
できることは、主に次のとおりです。
- 音声・ビデオのエピソードを上げて、公開する(予約公開もできる)
- Spotifyに自動で番組を出す
- RSSを使って、Apple PodcastsやAmazon Musicなどにも番組を出す
- 再生の数などの分析を見る
一方で、Spotify独自の録音・編集ツールは終了しています。Web版では、提携しているRiverside(別の会社の収録・編集サービス)を通して録音・編集することはできます。ほかの機材やソフトで収録と編集を済ませて、できあがったファイルを上げる流れでも問題ありません。
始める前に用意するもの
| 用意するもの | 内容 |
|---|---|
| アカウント | Spotify for Creatorsのアカウント。会社の番組なら、誰の名前・メールで作るかを先に決める |
| 番組名と説明文 | 番組の名前と、どんな番組かが伝わる説明 |
| カバーアート | 番組の顔になる正方形の画像(JPEGかPNG) |
| エピソードのファイル | 編集を終えた音声またはビデオのファイル |
| エピソードのタイトルと説明 | 各回の題名と、話している内容の説明(ショーノート) |
カバーアートは、配信アプリによって条件が違います。Apple Podcastsは1400〜3000ピクセルの正方形を求めているので、3000×3000ピクセルで作っておく と、ほかのアプリにも使い回せます。番組名やカバーアートの考え方は「ポッドキャストの始め方【企業・個人向け】企画から配信まで7つのステップ」で紹介しています。
配信までの手順
1. アカウントを作り、番組を作る
Spotify for Creatorsにログインし、新しい番組を作ります。番組名、説明文、カテゴリー、カバーアートを入れます。番組の設定は、あとから変えることもできます。
2. エピソードのファイルを上げる
「新しいエピソード」から、編集を終えたファイルを選びます。公式の案内で対応しているファイル形式は、次のとおりです。
| 種類 | 対応する形式 |
|---|---|
| 音声 | MP3、M4A、WAV |
| ビデオ | MP4、MOV、MPG |
3. タイトルと説明を入れる
エピソードのタイトルと説明を入れます。説明には、話している内容や出演者、関連するページのURLなどを書いておくと、聞く人が内容を探しやすくなります。必要なら、シーズン・エピソードの番号や、回ごとのカバーアートも付けられます。
4. 公開する、または予約する
すぐに公開するか、日時を決めて予約するかを選びます。毎週決まった曜日に出す番組なら、予約公開を使うと公開の作業を前もって済ませられます。
ビデオのエピソードを上げるとき
ビデオポッドキャストを出す場合は、音声とは少し違う点があります。公式の案内では、次のようになっています。
- ビデオを上げられるのは、パソコンのブラウザ(Web版)から だけ。Web版で下書きを保存し、スマホのアプリから公開することはできる
- 最初のビデオを公開する前に、アカウントの確認 が必要
- 映像は 16:9、コーデック(映像を圧縮する方式)は H.264。長さは最大12時間
- 映像1本・音声1本のファイルにする(音声はステレオ)
- 上げたあと、変換(トランスコード)が始まったときと終わったときにメールが届く
もうひとつ大事なのは、ビデオが見られるのはSpotifyの中だけ という点です。RSSでほかのアプリに届くのは、音声だけになります。YouTubeでも映像を見てもらいたい場合は、YouTubeにも別に上げる必要があります。
ビデオポッドキャストの考え方や、音声との違いは「ビデオポッドキャストとは?音声との違い・始め方・必要な機材」でまとめています。
プロの目線から
Spotify for Creatorsは、上げるところから先の作業を受け持つサービスです。ビデオの場合、上げる前の撮影と編集に時間がかかります。私たちはカメラ3台で撮影していて、20分ほどの回の基本の編集でだいたい2時間、オープニングの映像を凝ったものにすると、さらに3時間ほどかかります。配信の手順そのものより、上げるファイルを毎回同じ質で用意し続けることのほうが、手間のかかるところです。
Apple PodcastsやAmazon Musicにも届ける
Spotify for Creatorsで作った番組は、Spotifyには自動で出ます。ほかのアプリに出すには、アプリごとに番組を申請 します。Spotifyの案内では、Apple Podcasts、Amazon Music、Pocket Casts、Overcast などが挙げられています。
申請では、Spotify for Creatorsの設定画面で確認できる RSSフィードのURL を使います。気をつけたい点は次のとおりです。
- アプリによっては人の手で確認するため、公開まで時間がかかる ことがある
- 新しいエピソードや変更が、すべてのアプリに反映されるまで 最大24時間 ほどかかることがある
- アプリごとに番組のURLは違い、ふつうは変えられない
Apple Podcastsは、iPhoneに最初から入っているアプリです。配信を始めるときに、SpotifyとApple Podcastsの両方に出しておくと、聞く人が使うアプリを選べます。
使うときに気をつけたいこと
音楽の使い方
以前は、Spotifyの楽曲をそのままエピソードに入れられる機能(Music + Talk)がありましたが、新しいエピソードでは使えなくなっています。音楽を入れるときは、ポッドキャストで使ってよい許諾のある音楽を、編集の段階で入れておきます。音楽の入れ方は「ポッドキャストの編集方法|無料ソフトでできることと、プロが時間をかけているところ」で紹介しています。
回ごとのカバーアート
エピソードごとにカバーアートを付けると、あとから完全には外せません(番組のカバーアートを上げ直すことで元の見た目に戻します)。また、回ごとの画像を表示せず、番組のカバーアートだけを出すアプリもあります。
知らないアプリに番組が出ていることがある
RSSは公開されているため、申請していないアプリに番組が載ることがあります。外したい場合は、そのアプリに直接連絡します。
企業の番組で使うときに、決めておくこと
会社や団体の番組では、配信の手順そのものより、運用のルール を先に決めておくと、あとで困りません。
- アカウントの持ち主:担当者個人のアカウントで作ると、異動や退職のときに引き継ぎが難しくなります。会社で管理するメールアドレスで作ると安心です
- チームでの管理:Spotify for Creatorsには、番組にチームメンバーを加えるしくみがあります。誰が上げて、誰が確認するかを決めておきます
- 公開前の確認:社外に出す内容なので、説明文や出演者の名前、話の内容を、公開前に誰が確認するかを決めます
- 公開の曜日と時間:予約公開を使って、決まったリズムで出すと、聞く人が習慣にしやすくなります
まとめ
- Spotify for Creatorsは、ポッドキャストを置いて配信する 無料のサービス。録音・編集は別に済ませてから上げる
- 対応するファイルは、音声が MP3・M4A・WAV、ビデオが MP4・MOV・MPG
- ビデオは Web版から 上げる。最初にアカウントの確認が必要で、ビデオが見られるのはSpotifyの中だけ
- Apple PodcastsやAmazon Musicには、RSSフィードを使ってアプリごとに申請 する
- 企業の番組では、アカウントの持ち主・確認の流れ・公開のリズム を先に決めておく
配信の手順は、一度覚えれば難しくありません。続けるうえで手間がかかるのは、毎回のファイルを用意するまでの、企画・収録・編集のほうです。全体の流れと時間の目安は「ポッドキャスト制作を外注する費用の相場は?自社で作る場合との比較」も参考にしてください。
配信まで任せたいときは、TAIDANへ
TAIDANは、企業・団体のポッドキャストとビデオポッドキャストの制作を代行しています。
- 企画・収録・編集から配信まで、まとめて対応
- 機材を持って、会議室やオフィスへ出張収録(スタジオは不要、全国へ伺います。出張費・会場費は別途)
- 料金は、音声 単発 80,000円〜、ビデオ 単発 120,000円〜(税別・機材費込み)。継続のプランは月4本です
ご相談のあと、番組企画のたたき台を無料でお送りします。